交際費の税務


お客様から交際費の質問が最近多かったので、制度を中心にまとめてみました。

税務上の交際費

交際費は原則として、税務上は経費にできませんが、特例的に経費にすることができる3つの考え方があります。
この税務上特例的に扱われる交際費は、法律では「交際費等」といって範囲が広いので注意が必要です。
※ここでは「交際費等」を単に交際費とします。

具体的に、交際費に当たるかの判断基準は、以下の3点になります。
①接待相手が会社の事業に関係する人
②取引を円滑にするため
③接待や贈り物など行為があること

事業に関係のある人とは、会社に間接的に関係のある、従業員や株主も含まれます。
また、接待のための交通費(タクシー代)などは、接待のためにかかる費用として、税務上では交際費に含まれたりしますので、経理として、会議費、旅費交通費などで処理していたとしても、実態が税務上の交際費になっていないかの確認は必要です。

ここ数年税務当局は、経費になる交際費の範囲を広める税改正をおこなっています。
ムダ使いや財務体質を弱めるので交際費は抑えようとするよりも、会社が使う交際費が増えることで景気がよくなる事を期待したからです。
特に中小企業には有利になっています。

接待飲食費についての2つの制度

接待飲食費については、平成18年4月から一人当たり5,000円以下は交際費から除くことが認められ(5,000円基準)、平成26年4月からは交際費の50%相当が経費に認められるようになっています(50%損金算入制度)。
※個人事業主は、交際費に当たるかの判断基準に該当すると限度はありません。

ここで、接待飲食費は「交際費のうち飲食その他これに類する行為のために要する費用で社内飲食費以外のもの」とされています。(措法61の4④)
特に注意が必要なのが、その飲食が、会社の役員や従業員などの社内の身内だけで行った飲食の場合は、接待飲食費になりません。

■「5,000円基準」について、
接待飲食費のうち1人当たりの金額が5,000円以下であるものを、経費にできる制度です。
すべての会社が適用することができます。

接待飲食費の総額 ÷ 飲食等に参加した人数 = 1人当たりの接待飲食費の金額となり、
5,000円以下というのは、5,000円ちょうどぴったりまでということです。

ただし、無条件ではありません。
この制度の適用を受けるには次の事項を記載した書類を、会社に保存しなければいけません。

【必要な記載事項】
①いつ
②誰と
③参加人数
④いくら使ったか
⑤どこで
⑥その他参考事項

様式は問われないので、その都度領収書の裏にでも記載しておくことで記録漏れは防げます。
税務調査のときになって、記録漏れが見つかり制度が認められないことのないようにしましょう。
※5,000円を超えてしまっている場合は、接待飲食費全額が経費にならないので注意が必要です。

■「50%損金算入制度」について、
支出した 接待飲食費の金額のうち50%を経費にできる制度です。
すべての会社が適用することができます。

こちらも「5,000円基準」同様の適用条件として書類の保存をしなければいけません。
ただし、こちらは参加人数は不要となっています。

定額控除限度額

交際費のうち、年間800万円(定額控除限度額)までは経費と認められるものがあります。
定額控除限度額の制度は、中小企業だけが認められる制度です。
5,000円基準や50%損金算入制度と違って、資本金の額または出資額が1億円以下の法人のみが適用を受けられ、記載事項の要件もありません。

 

 

以上のように、交際費には3つの制度があり、「50%損金算入制度」と「定額控除限度額」は併用はできない関係となっています。
中小企業では、ほとんどの会社が「定額控除限度額」の範囲内で収まるのではと思いますが、選択肢として①5,000円基準+50%損金算入制度か②5,000円基準+定額控除限度額の2パターンがあるので有利な方を選ぶことになります。
800万円以内に交際費が収まると思っていても、交際費の範囲が広いので、想定外に800万円を超えることもありますので、経理処理としては、勘定科目の細目を①接待飲食費(5,000円基準)、②接待飲食費(50%損金算入制度)、③その他にわけて準備しておく方が良いでしょう。

 

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