来年の税制方針(2019年度税制改正大綱)


2018年12月14日に政権与党(自民党・公明党)の税制改正大綱が発表されました。
気になったところを中心にまとめてみました。

税制大綱とは

政権与党(自民党・公明党)が税制調査会を中心に翌年度以降の税制方針を話し合い内容をまとめたものです。
この大綱が発表されることで、税金を払う側も、税金を集める側もおおよそ1年の税制についてのめどが立ちますので、毎年この時期は税制改正大綱の発表は注目されます。
政府は大綱に従って年明けの通常国会に税制改正法案を提出し、3月下旬には税制改正法律案が国会で成立・公布され。4月1日には税制改正関連法の施行となります。
今回2018年12月13日には発表と言われていましたが14日に延期されました。
未婚のひとり親支援について、自民党と公明党の間で調整がもつれたようです。
結婚後に配偶者と死別、離婚した寡婦(寡夫)は、一定の要件で所得控除を受けられますが、未婚のひとり親についても支援を盛り込み全面適用するかしないかで議論された、結局今回は適用されず、その代わりに住民税の方で軽減措置がされることになりました。(年間1万7500円の手当も出ることになりました)

住宅ローン控除

個人が住宅を取得する場合に、従来型の住宅ローン控除が10年から13年へ延長されました。平成31年10月1日から平成32年12月31日までの間で期間限定。
下記のいずれか少ない金額が控除されます。
(一般住宅の場合)
①住宅借入金等の年末残高(4,000万円を限度)×1%
②〔住宅の取得等の対価の額又は費用の額-当該住宅の取得等の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等〕×2%÷3
(消費税増税分を3年で負担の意味)

空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除の特例について

一定要件を満たせば、老人ホーム等に入所をしたことにより被相続人の居住の用に供されなくなた家屋の敷地の用に供された土地等は、相続開始の直前においてその被相続人の居住の用に供されていたものとして適用されます。
また、適用期間は4年延長となっています。今回改正分は、平成31年4月1日以後に行う被相続人居住用家屋又は被相続人居住用家屋の敷地等の譲渡について適用されます。

森林環境税の創設

年額1,000円、個人住民税と合わせて徴収されます。
平成36年から課税スタート

ふるさと納税(見直し)

平成31年6月1日以後に支出された寄附金から見直しが適用されるので、駆け込みが起きるのではと予想されます。見直し内容は、総務大臣がふるさと納税の基準など定め対象を指定することになりました。
①寄附金の募集を適正に実施する都道府県
②返戻割合を3割以下にすること
③返礼品は地場産品とすること

未婚のひとり親支援

未婚のひとり親支援については個人住民税の非課税の措置が加えられました。
議論となっていた寡婦控除の全面適用については住民税を非課税とすることで見送られました。
前年の合計所得金額が135万円(年収225万円)を超える場合は適用外となります。

個人事業者の事業用資産に係る相続税の納税猶予制度(創設)

期間限定:平成31年1月1日から平成40年12月31日までの間相続により、特定事業資産を取得し事業を継続する場合に、担保の提供を条件に相続で取得した特定事業資産の課税価格の課税資産に対応する相続税の納税を猶予されます。

相続人は認定相続人である必要があり、承継計画に記載された後継者であって、経営の承継の円滑化に関する法律の規定による認定を受けた人になります。
特定事業資産は、事業用の土地(面積400㎡まで)、建物(床面積800㎡まで)、減価償却資産(自動車など)で青色申告書の貸借対照表に計上されているものとされています。
また、認定相続人は相続の申告期限から3年毎に継続届出書を税務署長に提出しなければならないとなっています。

途中で資産を売却する可能性がないか、慎重に判断する必要があります。

個人事業者の事業用資産に係る贈与税の納税猶予制度(創設)

期間限定:平成31年1月1日から平成40年12月31日までの間認定受贈者(18歳、平成34年3月31日までの贈与については20歳以上)が贈与により、特定事業資産を取得し事業を継続する場合に、担保の提供を条件に贈与で取得した特定事業資産の課税価格の課税資産に対応する贈与税の納税を猶予されます。

認定受贈者が贈与者の直系卑属である推定相続人以外のものであっても、その贈与者がその年1月1日において60歳以上である場合には、相続時精算課税の適用を受けることができます。(塀併用可)贈与者が死亡した時は、みなし相続として、相続税の納税猶予の適用を受けることができます。

小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例について

特定事業用宅地等の範囲から、相続開始前3年以内に事業の用に供された宅地等は除外されます。(宅地の上で事業の用に供されている減価償却資産の価額が、宅地の相続時の15%以上である場合を除く)平成31年4月1日以後相続により取得する財産に係る相続税に適用されるので、同日前から事業の用に供されている宅地については特例の対象となります。

民法(相続関係)の改正関連

・相続税における配偶者居住権等の評価額措置
(配偶者居住権、配偶者居住権が設定された建物の所有権、配偶者居住権に基づく居住建物の敷地の利用に関する権利、居住建物の敷地の所有権等)
・配偶者居住権の設定登記についての登録免許税居住建物の価額に対して1,000分の2
・特別寄与料に係る課税相続人ではない親族(特別寄与者)が支払いを受け取るべき特別寄与料の額が確定した場合は、被相続人から遺贈により取得したものとみなして、相続税を課税。

研究開発税制の見直し

研究開発を行う一定のベンチャー企業の控除税額の上限を法人税の現行25%から40%に引き上げ。(増減試験研究費割合は5%から8%へ)

一定のベンチャー企業とは、設立10年以内の法人で当期において繰越欠損金を有するものとあるのでその取扱いは注視しておきたいです。

中小事業者の支援

・中小企業等の法人税の軽減税率の特例⇒2年延長
・中小企業投資促進税制の適用期限⇒2年延長
・特定経営力向上設備等 を取得した場合の特別償却又は税額控除について、特定経営力向上設備等の範囲の明確化及び適正化を行ったうえ⇒2年延長
・地域経済牽引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度については、措置を講じたうえ⇒ 2年延長
・中小企業等経営強化法の改正を前提に、青色申告書を提出する中小企業者のうち同法事業継続力強化計画又は連携事業継続力強化計画の認定を受け、の同法の改正法の施行の日から平成33年3月31日までの間に、その認定に係る事業継続力強化計画又は連携事業継続力強化計画に係る特定事業継続力強化設備等の取得等をして、その事業の用に供した場合には取得価額から20%特別償却ができます。

法人事業税について

法人事業税の課税標準が下がり、特別法人事業税が創設されます。(平成31年10月1日以後に開始する事業年度から適用)また、特別法人事業税の収入額を、使途を限定しない一般財源として、都道府県へ譲与する特別法人事業譲与税が創設されます。

法人が所有する仮想通貨の取扱い

税法上、法人が所有する仮想通貨は時価評価すると示されました。

①法人が事業年度末に有する仮想通貨のうち、活発な市場が存在する仮想通貨については、時価評価により評価損益を計上
②法人が仮想通貨の譲渡をした場合は、譲渡に係る契約日の属する事業年度に譲渡損益を計上
③法人の仮想通貨譲渡に係る原価算出方法は移動平均法または総平均法による原価法により、法定算出方法は移動平均法による原価法とする
④法人が事業年度末に有する未決済の仮想通貨信用取引については、事業年度末にみなし決済によって損益相当額を認識

情報照会(反面調査)手続きの整備

国税に関する調査に関して参考となるべき帳簿書類等その他の物件の閲覧又は提供その他の協力を求めることが法令上明確化することになりました。
課税標準が1,000万円を超えるものに限るととありますが、今後の整備内容については注視したいです。

外国人弁護士が税理士業務ができるように所要の整備

まだどういった措置をするのか不明ですが、外国人弁護士が税理士業務をどのようにするか気になります。

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【編集後記】
今日は士業の方々と忘年会
(弁護士、司法書士、社会保険労務士、行政書士)
【昨日の1日1新】
ハーゲンダッツ
・キャラメルトリュフ
・スイートポテトのタルト
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