【freee基礎 #1/10】freeeを使う目的をどう意識するか

オンライン会計ソフトのfreeeを使っていて、とりあえず入力して終わりになってしまいがちです。

操作に慣れていても、「なぜこれをやっているのか」がはっきりしていないと、記帳はただの作業になってしまいます。

税理士として関与先の皆さまとやり取りする中で、

freeeをどう使えば役立つのか?目的を持って使うとは具体的にどういうことか?

といったご質問を受けることがあり気になったテーマだったので、今回取り上げてみることにしました。

少しでも目的が見えていれば、会計ソフトとの向き合い方がぐっと楽になるはずです。

freeeを使う目的をはっきりさせてみる

freeeは記帳しやすい反面、何のためにこの操作をするのかが抜け落ちやすいです。

たとえば、「税理士に見せるため」「確定申告に間に合わせるため」といったことだけを目的にしていると、

どうしても、とにかく入力すればいいという受け身な使い方になってしまいがちです。

しかし、今月使える手元のお金がいくら残るかや、先月から経費はどれだけ増減したかを見たい、プロジェクトの利益を把握したい

といった、自分にとって意味のある問いをひとつでも持って使えば、freeeの見え方と使い方が変わってきます。

なんとなく入力が良くない理由

freeeには、勘定科目の予測など便利な機能が多く備わっています。

ただ、それに頼りきってしまうと、内容を確認しないまま次々と登録してしまうという落とし穴があります。

こうしてなんとなく登録されたデータは、

あとから探しづらく、活用できず、最終的には信用できない帳簿になってしまいがちです。

記録が残っていても、どこに何があるか分からない帳簿では意味がありません。

freeeを活かすには、誰が見ても、あとからわかる状態に整えていく意識が大切です。

目的が定まると、freeeの操作に迷いがなくなる

目的が明確な人ほど、freeeの操作はシンプルかつ効率的になります。

たとえば、「粗利が落ちてきているので、その原因を把握したい」という目的がある場合、取引の入力や確認のしかたも自然と変わってきます。

具体的には、

取引には、取引先名や品目を必ず入力する(誰との取引で何を扱ったかが見えるように)

タグで案件ごとに分類しておく(プロジェクト単位で収益性の違いが見えてくる)

月次推移レポートで、取引先別・タグ別・月別に数字を見比べる(いつ・どこで粗利が落ちたのかを把握する)

といったように、目的から逆算した操作が自然に身についていきます。

「何を知りたいのか」がはっきりしていると、「どこに何を入力して、どこを見ればいいか」もおのずと決まってきます。

その結果、freeeの画面構成や仕様に振り回されず、自分にとって必要な情報にたどり着けるようになります。

まとめ

freeeを効果的に使う第一歩は、なんとなく使わないこと。

目的を持って使えば、freeeは単なる会計ソフトではなく、経営判断を支えてくれる使える会計になります。

【次回予告】

次回は、【freee基礎 #2/10】「スマホアプリとパソコン、使い分けをどう考えるか」についてお届けします。

【補足  本記事の内容について】

※本記事は、2025年5月時点のfreeeの機能・仕様に基づいて執筆しています。

※以降のアップデート・画面変更などにより、内容が一部異なる可能性があります。

※実際の操作や仕様については、公式サイトやサポートページもあわせてご確認ください。

※記載の内容は著者の経験と知識に基づいた一般的な情報です。

 個別の経理処理や税務判断については、税務署または顧問税理士にご確認ください。